ハサミの話を少々。
縫製業にとってハサミは重要な道具です。
現在はミシンに自動糸切り装置が普及しているので必要性も減っていると思われる事もありますが残り糸の始末や仕上げなどに今でも欠かせません。
裁断作業も現在では自動裁断機(CAM)などがありますが、試作や単品物などを製作する際はやはりハサミが必要となります。
ハサミに何よりも必要なのはその切れ味だと思います。切れ味が悪くなると作業効率は勿論、品質にも影響してくるので注意を払っています。
会社で使われているほとんどのはものは私が研いでいます。私がハサミ研ぎを教わった頃は包丁を研ぐ砥石と同じようなものでした。包丁と異なりハサミを研ぐ時は水ではなく油を使って研ぎました。今では水も油も使わない電動砥石で丁寧に一本一本仕上げています。なかでも私が担当している裁断に使用するハサミはより慎重に研いでます。
写真に写っているハサミは周囲はサビもありますが刃先部分はサビもなくきれいです。なるべく刃先の切る部分を広げ過ぎず、切る角度を保ちながら、と教えてもらった経験則を生かして研いでいます。
世間では安価なハサミも出回ってますが、縫製業に関わってる限りはハサミにはこだわっていくつもりです。そしてなるべく使い慣れているものをより長く使っていけるように。 |