巣ごもり需要 2022.08.17

ビールの売り上げが伸び悩む中、アルコール度数が7~9%とやや高めの缶チューハイやが好調です。 「家飲み」の機会が増えたことなどから、ビールメーカー各社も商品開発を強化しています。特に目立つのはアルコール度数9%の商品です。なぜ「やや強め」が売れるのか、なぜ「9%」なのでしょうか? 「低価格」と「高アルコール」をコンセプトに、下記商品の様なアルコール度数9%の缶酎ハイがコンビニや酒販店にはずらりと並びます。価格は350ミリリットルで税込み150円程度と、ビールより手頃でチューハイに飲み応えを求める消費者層が確実に増えている感じです。。 データでもK社が今年4月に発売した商品は、わずか5カ月で1億本以上を売り上げました。 「消費増税などを控えて、消費者の『生活防衛意識』が高まり、酒類市場では『低価格』と『高アルコール』を両立した飲料が伸びています。 S社が2009年に某シリーズをアルコール度数8%で発売し、2014年以降、シリーズ各商品の度数を順次、9%に引き上げました。 「飲み応え」を求めるのであれば、さらに度数を上げてもよさそうですが、「9%」の理由について「度数が10%以上になると、酒税が変わる」為ですね。 国税庁によると、ビールや発泡酒以外の「その他の発泡性酒類」は「アルコール度数10%未満」が条件です。 よく缶チューハイや「第3のビール」の缶に「リキュール(発泡性)」「スピリッツ(発泡性)」「その他の醸造酒(発泡性)」などの表記があるのを見かけますが、度数10%以上にすると、「リキュール(発泡性)」は350ミリリットル缶換算で14円、「その他の醸造酒(発泡性)」は21円、「スピリッツ(発泡性)」はおよそ100円も酒税が高くなってしまいます。 つまり、「低価格」と「高アルコール」を両立するギリギリのラインが「9%」というわけです。 人気の高アルコール飲料ですが、手頃な価格で、しかも飲みやすいこともあり、アルコール依存症などの健康被害を懸念する声もあります。「『高アルコールの方がコストパフォーマンスが良く、お得』『強いお酒でストレスを一気に解消できる』といった広告表現は使用しないよう配慮しています」、4社とも「適正飲酒の啓蒙活動に取り組んでいる」としています。 コロナ禍で自宅飲みの方々が増大していると思いますが、お酒が手頃な価格で飲めるのはよいですが、飲み過ぎには注意したいものです。